プロゲーマーの発言傾向に思うこと

プロゲーマーに失言が多いんじゃなくて、「配信」という業態の問題 という話題に関心が集まっていたので、自分の感想的なものを書いておく。

もちろん、自分の場合は鉄拳についてを中心としてであります。



プロゲーマーの発信

日常的な対戦配信や大会配信など、今でもいろいろ見ているけど、最近のプロゲーマーの発言にはとても違和感がある。良い意味でね。

 思わぬ技を食らっても「うまい!」
 ありえないはずの現象に「なるほど~」
 敗戦後に「自分が足りない、精進します」

など、品行方正に振る舞おうとしている。すごく偉い。

ゲーセン文化そのままなら、

 思わぬ技を食らえば「っざっけんなよ!w」
 ありえないはずの現象に「なんだこのクソゲー!」
 敗戦後に『台パン』『台押し』『灰皿ソニック』『絡む』

だったので、意識的に業界を変えようとしているのがわかる。

ゆーても敗戦後に物理的に絡んだのはゲーセンが不良文化だった頃までで、21世紀くらいからは顔見知り~仲良しになったりが多かったので、ノリは下品でも暴力的な行動はほぼなくなったように思う。

そこからさらに一歩二歩先に進めるかって段階なんでしょう。


プロゲーマーの失態

そんな段階において、プロゲーマーが生配信で差別的発言を含み、SNSなどに引っ張り出され、炎上し、契約解除や活動停止にまで達する。という事件がチラホラどころじゃない雰囲気で出ていると。

発言する側からすれば、(悪い)ゲーセン文化のノリをそのままプロの生配信という環境に持ち込んだだけって感じかもだけど、単語を切り取ると完全にただの差別用語になる場合も多く、現在の流れは自然淘汰的な現象といってもよさげ。

趣味とプロの違いを認識しないままなプロ個人や、プロチーム運営の現状認識やガイダンス的なものが足りていない、ってのが原因と考えられる。スポンサー関係なら即切られてもしゃーないけど、チーム関係はトカゲの尻尾切りに見えてちょっと違うんじゃないって印象もある。

が、格ゲーだけで言えば、衰退し続けるか盛り返せるかの厳しい状況の中、まともなプレイヤーが1つ1つの活動に意味を込めて頑張っているところに、ネガティブに水をさされる形はかなり可愛そうなので、早い段階で改善もしくは淘汰されつくされればいいと思います。


ゲーセンでの発言

一方で、ゲーセンで切磋琢磨していた良き時代を思い返すと、言葉は汚くとも基本的には仲良くやっていたコミュニティが多かったし、差別的単語を当然のように使う文化やプレイヤーに遭遇したことはありませんでした。

一口にゲーセン業界といっても、そのコミュニティ単位はゲーセン、もしくは地域ごとであることが多く、もしかしたらゲームや地域によっては悪しき習慣が根付いている場合もあるかもしれません。

ただ私の経験である、鉄拳かつ旭川から福岡まで多くの遠征を重ねた中では見かけませんでしたし、嫌な気分にさせられることも全然ありませんでした(不良全盛期を除く)。

それどころか、他ゲーセンから遠征に来たお客さん的な扱いをしてくれ、席と対戦相手を都合してもらい、アッチとコッチで地元組 VS 遠征組 な構図を時間ギリギリまで続けるって感じでした。

最近の炎上したいくつかの事例を見ても、ゲーム業界とか格ゲー業界の文化傾向というよりは、ほぼほぼ個人の問題であるという印象です。ヒートアップしたり色々あったとしても、身体的特徴や障がい者を対象・語源とした罵りをする人は全然いないからです。


ゲーセンの文化

だのに、いくつか炎上事件があったからといって、ゲーセンやゲーマーが強く批判されることになるのは、ゲーセン文化が特殊だったからな気もします。

不良のたまり場、叫ぶゲーマー、連コイン、大会コンボでの掛け声などなど……一般人には異常な環境と見られても仕方ない感じがあり。

ただそれって一般人が冷静に客観的に見た話であって、ゲーム中はまた別の話ですよってのがいくつもあるわけです。格闘技ほどではないにしろ、『対戦』なのでアドレナリンが出て興奮状態になりますからね。

お互いの許容範囲で、声をかけて煽り合うことで楽しく盛り上がったり、同段戦は席を立つことが許されなかったり、普通からはほど遠い文化が形成されます。

例えば普通の人は、後ろに人がいたら1回立って席を譲ろうとするのが常識ですが、ガチンコのゲーセンに行くと、同段ならいちいち立たずにガンガン入るのが当然だったりします。むしろ何も言わず立ったら『逃げ』とみなされ、認められたり仲良くなりづらくなるので、決着するまでの対戦継続以外は「両替」「トイレ」「自販機」しか許されません。大阪だと長期戦中の「たこ焼き」は許されたりもします。

それらについて外部から「狂ってる」と言われればその通りなのですが、その文化圏でマナーの範囲で楽しんでいる限りは、どう思われようがってところはあるでしょう。



しかし、そういった狂い気味の文化があり、その程度も様々な中で、それをプロの世界に持ち込むことが問題なわけです。

そもそもオンラインでは汚い言葉や相手を下げる言動は避けるべきなのに、ゲーセン文化とネットスラングを混ぜて煮詰めたような差別系スラングを用いるのは、業界や配信云々以前の話です。

なのであまり同情できる事件でもないのですが、一見は炎上が即死自爆技になっているのが厳しい時代だなといったところ。実際には常態化していたり警告を受けたりの上での発動っぽいので、やはり自然淘汰なんだろうなという感想です;-(

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